星野ひかり

星野ひかりのスピーチ

22歳・経営企画部・インターン

### Point 「治療って苦しいもの」というイメージ、みなさんも持っていませんか?私は正直そう思っていたんです。でも今回のニュースで驚いたのは、ベクティビックス+ルマケラスという新しい大腸がん治療が、従来の薬よりも患者さんの生活の質を大きく改善したという結果でした。特に疲労や痛みが軽減され、960mg群では全般的な健康状態のスコアが9.43ポイント改善したというのは、希望を感じる話だと思います。### Reason なぜこの結果が大事なのかというと、がん治療は生存率や腫瘍縮小率だけで評価されがちですが、患者さんが「どんな日常を送れるか」こそが本当の指標だからです。試験では240mg群で身体機能が6.34ポイント改善し、PROスコアの悪化までの時間も有意に遅延していました。つまり「長く生きる」だけでなく「生きている時間をどう過ごせるか」が科学的に裏付けられたんです。### Example 私自身、祖母が抗がん剤治療を受けていた時期がありました。副作用で外出もままならず、家族で旅行に行きたいと言っても「体がしんどいから無理」とよく言われました。その時の無力感を覚えています。だから今回の試験で「ルマケラス群では63~84%の患者が“体調が改善した”と答えた」というデータを見て、涙が出そうになりました。もし祖母がこの治療を受けていたら、一緒に散歩や旅行ができたかもしれない。そんな“日常の幸せ”が守られるのは、医療の進歩の中でも特に尊いことだと思います。### Point だからこそ私たちの仕事でも、単に「数字が良い」「KPI達成」と伝えるだけでなく、「その数字が人にどんな感情や体験をもたらしたか」を語ることが大事だと思うんです。医療が“生存率”から“生活の質”へと視点を広げたように、マーケティングも“数字”から“共感の物語”へと進化させていけるはず。私たちが届ける情報が、誰かの小さな希望や安心につながる、そんな仕事をしていきたいです。
佐藤健太

佐藤健太のスピーチ

24歳・システム部・SE

### Point 正直に告白すると、僕は「がん治療の進歩って薬の種類が増えるだけで、本質的には苦しい治療が続くんだろう」と思っていました。ところが今回の臨床試験の結果を見て、その認識が変わったんです。ベクティビックス+ルマケラスの併用療法は、従来の治療に比べて患者さんの生活の質を改善したと示されました。特に身体機能が有意に改善し、悪化までの時間も960mg群でハザード比0.52、240mg群で0.33と、大幅に遅らせることができたんです。### Reason これって、技術者的な視点で言えば「システムのボトルネックを取り除いた状態」に近いと思います。従来のがん治療は“生存率”というメインのKPIだけを最適化していた。でも実際には、患者さんの生活が制限されれば、そのシステムは不完全です。今回の臨床試験が示したのは、“体験”というユーザー側のKPIも最適化できるということ。まさに二重の最適化が同時に進んだ事例だと感じました。### Example 僕が以前担当した社内システムの改修でも似た経験がありました。ある部署から「処理速度を上げてほしい」という要望が来たんです。最初はCPUの性能強化やコードの最適化を進めたのですが、実は一番のボトルネックは“UIの複雑さ”でした。そこで画面遷移をシンプルにしたら、処理速度は変わらなくても「使いやすくなった!」と喜ばれたんです。その時に「数字上の性能だけじゃなく、体験が本当の評価軸なんだ」と実感しました。### Point 今回のニュースは、僕らエンジニアにとっても大きな示唆があります。システム開発でもプロジェクト進行でも、成果を測る指標は一つじゃない。医療が「生存率」から「生活の質」へと視点を広げたように、僕らも「処理速度」から「ユーザー体験」へと視点を広げる必要がある。つまり本当の最適化とは、数字と体験を両立させること。そう考えると、この臨床試験は“医療の世界からの最適化のヒント”だと感じています。
田中美咲

田中美咲のスピーチ

32歳・人事部・係長

### Point 今回の臨床試験で私が一番心に残ったのは、ルマケラス群の患者さんの63~84%が「体調が改善した」と答えたのに対して、標準治療群では37%しかそう感じなかったという事実です。つまり、治療の効果は単なる生存率や腫瘍縮小だけでなく、患者さん自身の「実感」として表れているんです。### Reason なぜこれが大事かというと、組織運営でも同じだからです。数字だけを追いかけても、本人が苦しんでいたら持続可能な成果にはなりません。心理的安全性やエンゲージメントのように「本人がどう感じているか」を見ないと、本当の意味での成長は得られないんです。臨床試験のPRO(患者報告アウトカム)は、まさに組織における「声を聞く仕組み」にあたると感じました。### Example 私自身も以前、プロジェクトで成果だけを重視してしまったことがありました。数字上は目標を達成していたのに、あるメンバーが「正直もう限界です」と涙ながらに打ち明けてくれたんです。その時に初めて「数字は良くても、人は疲弊していた」という現実に気づきました。その経験以来、私は週1回の1on1を導入し、数字だけでなく「どう感じているか」を必ず聞くようにしました。すると、メンバーの表情や雰囲気が変わり、結果的にチーム全体のパフォーマンスも上がったんです。### Point だからこそ、今回の臨床試験は私たち人事にとっても大きな学びです。数字はもちろん大切ですが、それに加えて「人の声」をどう拾うかが本当の成長のカギになります。医療が生存率だけでなく生活の質を測るようになったように、私たちの組織も成果だけでなく「働く人の実感」を大切にしていきたい。そうすれば、もっと持続可能で温かい組織を作れると思います。
山田雄一

山田雄一のスピーチ

43歳・経営企画部・課長

### Point 我々が直面している最大の課題の一つは「成果をどう測るか」です。今回の大腸がん治療の臨床試験では、従来は生存率や腫瘍縮小率だけで評価されていた治療に対して、生活の質(QoL)という新しい指標が導入されました。その結果、身体機能の悪化が半分以下に抑えられた(ハザード比0.33や0.52)という報告があったのです。これは戦略的に非常に重要な転換点だと感じます。### Reason なぜなら、これはビジネスにおけるKPI設計と同じだからです。短期的な「売上」や「利益」だけを追いかけても、顧客が疲弊すればリピートは生まれません。QoLを重視する臨床試験の発想は、我々にとって「顧客体験をKPIに組み込む」ことに相当します。つまり、成果の物差しを広げることで、持続可能な成長戦略を描けるのです。### Example 私自身、課長として営業チームを率いた時に失敗した経験があります。売上数字だけを目標に掲げた結果、短期的には数字が伸びましたが、顧客から「対応が雑になった」と苦情が増え、翌年には契約更新率が下がってしまいました。その後、顧客満足度調査をKPIに加え、定期的なフィードバックを仕組みに取り入れたところ、短期の売上は少し下がったものの、3年後には契約更新率が大幅に改善しました。その時に「成果をどう測るかで未来は変わる」と痛感しました。### Point 今回の臨床試験は、我々に「成果の指標を広げろ」というメッセージを投げかけています。数字の裏にある生活の質や顧客体験を指標に組み込むことで、短期的な成果と長期的な信頼の両立が可能になる。つまり戦略とは「何を成果と定義するか」から始まるのです。我々もこの視点をチームに取り入れ、持続的な成長を実現していきましょう。
鈴木恵子

鈴木恵子のスピーチ

48歳・企画部・部長

### Point 2025年8月にLancet Oncologyで発表された臨床試験の結果を見て、私は大きな意味を感じました。ベクティビックス+ルマケラスという新しい大腸がん治療が、従来治療よりも患者の生活の質を改善したと報告されたのです。疲労や痛みの軽減、身体機能の改善、そして悪化までの時間の遅延。これらは単なる数値の改善ではなく「人がどう生きるか」に直結する成果だと思います。### Reason 経験上、私は歴史的に医療が歩んできた道を思い出しました。かつて医療は「命を救う」ことに全力を注いでいました。しかし抗生物質やワクチンの発明を経て、人々は「生き延びる」だけでなく「どう生きるか」を問い始めました。今回の臨床試験はその延長線上にあり、「生活の質」という新しい価値を正面から扱ったものです。これは企業経営にも通じます。短期的な利益を追う段階から、長期的な信頼や文化を育む段階へと進化するのと同じ構造です。### Example 私自身、部長として組織を率いる中で同じことを体験しました。以前、短期的な売上を優先しすぎて、メンバーに過度な負担をかけてしまったことがありました。確かにその年度の数字は良かったのですが、翌年には疲弊した社員が退職し、チーム文化が揺らぎました。その時に「命を救うだけでは足りない。生活を守らなければならない」と医療の歴史と同じ教訓を得ました。その後はメンバーの働きやすさや成長を重視する方針に切り替えたところ、数字以上に信頼と安定が得られました。### Point 今回の臨床試験は、単なる医療の進歩ではなく「人類が次の段階に進んだ証」だと私は思います。命を救うことから生活を守ることへ。そして企業もまた、利益を稼ぐことから文化を育むことへ。短期の成果を超えて「人の営みをどう豊かにするか」を問い続けることこそが、長期的に最も価値のある視点です。医療の変化から学び、私たちも経営や組織づくりにおいて「生活の質」という長期的な指標を見据えていきましょう。