正直に言うと、全国で最低賃金が1000円を超えたというニュースを聞いて「これは本当に仕組みとして回るのかな」と心配になりました。全国平均で1121円、過去最大の66円アップ。働く人にとっては収入が増える嬉しい話ですが、企業側にとっては一気にコストが増える大きな変化です。国は中小企業を対象に、ITツール導入の補助金や業務改善助成金を拡充しているそうです。これは確かに有効な手段です。ただ、仕組みとして考えると、導入後の運用や教育が整わないと「せっかくのツールが宝の持ち腐れ」になる可能性もあります。つまり、単に賃金を上げるだけでなく、それを支える業務フローや人材育成の仕組みも一緒に見直さなければ、本当の意味での改善にはつながりにくいのです。僕自身、以前に新しい社内システムを導入したとき、最初は「これで効率化できる!」とワクワクしていました。でもマニュアルが不十分で現場が混乱し、逆に問い合わせが殺到してしまったんです。そのときの焦りと、「仕組みを入れること」と「仕組みを回すこと」は全く別物だと痛感しました。悔しかったけれど、その経験が「導入後のサポート設計こそ大事」という今の自分の哲学につながっています。だから今回の最低賃金引き上げも、単なる数字の話ではなく「どうやって仕組みを回すか」という視点で考えるべきです。私たち一人ひとりができる最初の一歩は、新しい仕組みや制度に触れたときに「これは現場でどう回るだろう?」と一度立ち止まって想像してみること。それが未来の働き方をより良くするカギになると思います。