星野ひかり

星野ひかりのスピーチ

22歳・経営企画部・インターン

移動時間って「無駄」だと思いますか?調査によると、20代の67%がそう感じているそうです。私も最初は完全にその67%側でした。「目的地に早く着きたい」「その時間を他の勉強や仕事に回したい」と思っていたからです。でも最近、SNSをやっていて感じたのは、移動そのものが私たちにとって“ネタ”や“共感のきっかけ”になっていることです。つまり、無駄とされる時間の中にこそ、今の世代が価値を見出せる余白が潜んでいるんです。なぜそう思うのかというと、SNSの特性に関係しています。誰かの「旅の途中で見つけた小さな発見」や「電車で聴いた音楽のプレイリスト」って、意外と反応が大きい。効率的な目的達成だけでは得られない「共感のつながり」が、移動時間から生まれるんです。逆に言えば、移動時間を無駄と切り捨ててしまうと、そうした“共感資産”を失うことになる。今の若者が「効率」を求めすぎると、自分で自分の発信ネタを削ってしまう paradox があるんです。私自身も、最初は「移動は面倒なだけ」としか思っていませんでした。大学からインターン先まで1時間半かかる道のりは、正直だるいし、朝の満員電車では気持ちが沈むことも多かった。でも、ある日なんとなく撮った夕焼けの写真をストーリーに上げたら、友達から「元気出た」とコメントが来ました。その時、「この1時間半は、ただの移動じゃなくて“誰かと気持ちを共有できる素材”だったんだ」と気づいたんです。それ以来、移動中に気づいたことや感じたことを意識的にメモしたり、写真を残したりするようになりました。結論として、移動時間を「無駄」と切り捨てるか、「余白」として価値化するかは、自分次第です。効率だけを追いかけると、逆に損をしているかもしれない。むしろ、無駄に見える時間を“誰かと共感できる物語”に変えることこそ、SNS世代の武器になると思います。つまり、私たちにとっての移動は「ムダ」ではなく、「ネタの宝庫」なんです。
佐藤健太

佐藤健太のスピーチ

24歳・システム部・SE

僕はエンジニアなので、どうしても物事を効率やシステムとして見てしまいます。今回の調査で「20代の67%が移動時間を無駄だと感じている」と聞いて、アルゴリズム的に見れば当然だと思いました。移動は目的に直接寄与しない時間であり、プロセス全体のスループットを下げるボトルネックだからです。システムのパフォーマンスを考える時、一番遅い部分が全体を制限する。移動はまさにそれです。ただ、なぜそれを単なる「無駄」と片付けるのは危険かというと、無駄をどう扱うかで成長の可能性が変わるからです。機械学習の世界でも、使えないデータや失敗した実験を「捨てる」のではなく、前処理や特徴量として活かすことがあります。トーマス・エジソンが「私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」と言ったように、無駄に見えるものも処理次第で資産になるんです。僕自身、社会人1年目の頃は往復3時間の通勤で疲れ切っていました。「この時間さえなければ」と思っていましたが、ある日、移動時間を「学習のバッファ」と捉え直しました。通勤中に英語の音声教材を聴いたり、コードの設計アイデアをスマホに書き留めたりするようにしたんです。すると、会社に着いた時点で既に頭がウォームアップされていて、朝イチから効率が上がりました。以前は“無駄”にしか見えなかった時間が、むしろ僕の成長に貢献するプロセスに変わった瞬間でした。結論として、移動時間は効率性を阻害する「バグ」のように見えて、実はアップデート可能な「未処理のデータ」なんです。無駄をゼロにすることより、無駄をどう処理するかを考える方が、はるかに成果を生みます。つまり、エンジニアの視点から言えば、「移動は無駄」ではなく「未コンパイルのリソース」なんです。これをどう活かすかが、僕たちの成長スピードを決めるんだと思います。
  1. トーマス・エジソン「I have not failed. I've just found 10,000 ways that won't work.」
    https://archive.org/details/edisonhislifeinv01dyer/page/n7/mode/2up
田中美咲

田中美咲のスピーチ

32歳・人事部・係長

ある調査で、20代の67%が「移動は無駄」と感じていると紹介されていました。人事の立場からすると、この結果は驚きではありません。若手社員と話していても、「いかに効率的に成長できるか」を軸に行動している人が多いからです。けれども、私は「移動を無駄と切り捨てるのはもったいない」と思います。チームの関係性や心理的安全性を育む上で、移動は意外なほど重要な役割を果たしているからです。理由は、移動時間が「余白」だからです。会議室や業務の場では公式なやり取りに縛られますが、移動中は肩の力が抜け、自然な会話が生まれやすい。人事として見てきたのは、この非公式な交流がチームの信頼関係を強化しているという事実です。特に若手は効率を求めすぎるあまり、余白を軽視しがちですが、実はその余白こそが成長の土台になっています。私自身も思い出があります。新任の頃、研修で地方に出張した時のことです。移動中のバスで、同期と何気ない雑談をしていたのですが、それがきっかけで「自分だけが悩んでいるんじゃない」と気づけました。効率的な会議の場では決して出てこない本音が、移動中の空気の中で自然に出てきたんです。その後、その同期とは長く支え合う関係になりました。今振り返れば、あの移動時間こそが私のキャリアを支える財産だったと思います。結論として、移動時間は「無駄」ではなく「チームを強くする接着剤」です。効率や成長を重んじる若い世代にこそ、移動の余白が生み出す価値を知ってほしい。成長とは、最短距離を走ることだけではなく、遠回りの中で誰と歩くかで決まる。だから私は「移動は無駄」ではなく「移動は信頼の時間」と伝えたいのです。
山田雄一

山田雄一のスピーチ

43歳・経営企画部・課長

20代の67%が「移動は無駄」と考えているという調査結果があります。ROIやKPIで物事を捉える私から見ても、これは一理あると感じます。なぜなら、移動は目的に直接寄与しないコストだからです。若い頃の私は、出張の度に「この時間を削れたらROIがもっと改善するのに」と考えていました。しかし、なぜ今はその考えを修正したかというと、ROIの捉え方が変わったからです。ROIを単なる「時間対成果」で測るのではなく、「時間が生む可能性」まで含めて考えるようになったからです。移動は確かに短期的にはコストですが、偶然の出会いや新しい視点をもたらすことがあり、それが長期的な成果につながるのです。私自身の体験を話すと、ある地方出張で新幹線に乗っていた時、偶然隣に座った同業の方と雑談をしました。その時は軽い会話に過ぎませんでしたが、後にその方の紹介で大きな案件が決まりました。もしあの移動を「無駄」と切り捨て、オンライン会議だけで済ませていたら、この成果は得られなかったでしょう。ROIを数字だけで測ると見えない「偶然の収益」が、移動には隠れているのです。結論として、移動は「ROIを下げるコスト」ではなく「未来のROIを高める投資」になり得ます。効率を重視する20代の姿勢は素晴らしいですが、ROIは時間単位ではなく可能性単位で測るべきです。つまり、移動とは「浪費」ではなく「偶然を仕入れる投資」。その考え方が、これからのキャリアやビジネスを左右するのだと思います。
鈴木恵子

鈴木恵子のスピーチ

48歳・企画部・部長

20代の67%が「移動は無駄」と答えたという調査があります。そして年齢が上がるにつれて、その割合は減っていくそうです。私はこの数字を読んで、世代ごとの時間感覚の違いを感じました。若い頃は「効率的に成長すること」が最優先で、移動は目的に直結しない余計なものに思えます。しかし、歴史や文化の視点で振り返ると、移動こそが人類の成長を支えてきたのです。理由を説明すると、歴史上の文明は移動によって発展してきました。シルクロードを通じて東西の文化が交流し、航海によって大陸がつながり、鉄道や飛行機の普及によって人々の暮らしが変わった。移動は単なる手段ではなく、文化と知識を運び、時に新しい価値観を生み出す「触媒」だったのです。だから「無駄」と片付けてしまうのは、歴史的に見ても非常にもったいないことです。私自身も経験があります。若い頃、地方への出張を「ただの疲れる移動」と思っていた時期がありました。しかし、道中で地元の人と交わした会話や、車窓から見た農村の風景が、その後の企画に影響を与えたことが何度もありました。効率的に進めようとする会議室の中では得られない視点を、移動の中で自然に受け取ったのです。その「偶然の出会い」や「風景からの学び」が、私の発想を広げ、今でも仕事の基盤になっています。結論として、移動時間は「無駄」ではなく「文化を育む時間」です。効率を追う若い世代の姿勢は大切ですが、効率だけに縛られると、人生や組織の厚みを失ってしまう。むしろ、無駄に見える時間の中にこそ、長期的に価値を生む種子が眠っているのです。だから私は「移動は無駄」ではなく、「移動は文化を運ぶ風」として大切にしたいと思います。