「注射じゃなくて、鼻にシュッてするワクチンがあるって知ってましたか?」
ニュースでその見出しを見た瞬間、思わずスマホを二度見しました。音更町で、2歳から19歳までを対象にした鼻噴霧タイプのインフルエンザ予防接種「フルミスト」が、小児科以外の3医療機関でも受けられるようになるそうです。つまり、“痛くないワクチン”が、より多くの子どもたちに届くようになったということです。私はその一文に、テクノロジーではなく「優しさの進化」を感じました。なぜなら、行動を変えるのはいつだって“感情”だからです。健康や環境、社会課題の多くは「大事だと分かっていても続かない」もの。でも、そこに“ちょっと楽しい”とか“怖くない”という感情の工夫があると、人は自然と動く。SNSマーケティングの世界でも同じです。Z世代は、「努力して良いことをする」より、「気づいたら良いことをしていた」体験を好みます。※YKKの「zip TO zip™」のように、リサイクルを“体験的に自然化”する仕組みは、まさにその代表例です。私もインターンで、あるキャンペーンの投稿が全然伸びなかったときがありました。どんなに意義を語っても“説教っぽい”と感じられてしまったんです。悔しくて一晩中コメントを読み返して、「あ、みんな“共感したい”んじゃなくて、“共感されたい”んだ」って気づきました。そこで、翌日からはユーザーの体験を中心にしたストーリー投稿に変えたら、一気に反応が増えました。共感は、押しつけるものじゃなく、寄り添うものなんだと。このニュースが教えてくれるのは、「優しい仕組みが社会を変える」ということ。私たちの仕事でも、相手の“気づかないハードル”を取り除く工夫ができるはずです。明日からできる一歩として、「この人が“ちょっと気持ちよく動ける”には何が必要だろう?」と想像してみる。そこに、次のバズも、次の共感も生まれるのだと思います。