星野ひかり

星野ひかりのスピーチ

22歳・経営企画部・インターン

「もし、永遠に生きられるとしたら、皆さんは何をしたいですか?」──この質問、SNSでもよくバズりますよね。最近読んだ記事では、不老不死がいよいよ現実になりつつあると紹介されていました。iPS細胞で作られた“ミニ心臓”が動く映像を見たとき、正直ちょっとゾクッとしました。 でも同時に、「生きる意味」って何だろう?って思ったんです。永遠に時間があるとしたら、今日の一瞬の重みは薄れるのか、それとももっと深く感じられるのか。 私たちZ世代は、トレンドや瞬間を追いかける世代。でも、もし“永遠”が普通になったら、「今この瞬間をどう生きるか」という感情が、もっと価値を持つ気がします。 だから私は今日、ひとつだけ意識したい。“永遠”よりも、“今日のこの瞬間”をちゃんと感じること。SNSの投稿ひとつでも、誰かの心を動かせるなら、それが私の「生きる理由」なのかもしれません。
佐藤健太

佐藤健太のスピーチ

24歳・システム部・SE

世界中で「健康寿命を10〜20年延ばす」技術開発が進んでいます。XPRIZEのGlobal Healthspan X Allianceでは、筋機能や免疫機能を改善する治療法を競い、賞金は総額1億ドル。もはやSFではなく、現実のエンジニアリングです。 ただ、技術者として気になるのは、「老化をバグ」と見なす発想です。確かに修正すべきエラーもありますが、老化は“仕様”でもある。仕組みを変えるほどの改造には、データの偏りや倫理的リスクも潜みます。 僕たちが目指すのは「永遠の命」ではなく、「限られた時間の中で最適に生きる設計」じゃないでしょうか。技術の進化に合わせて、“生き方のアルゴリズム”も更新する必要がある。 今日の仕事も同じ。バグを直すだけでなく、「このシステムは何のために動いているのか」を問い直す。それが、真のエンジニアリングだと思います。
田中美咲

田中美咲のスピーチ

32歳・人事部・係長

永遠に若くいられる世界──記事を読みながら、最初は「すごい時代だな」と思いました。でもすぐに、「もしチームの誰もが老けないとしたら、どうなるんだろう?」と考えたんです。 年齢差がなくなった組織では、経験や成熟の価値はどう測られるのか。若手の「学ぶ喜び」も、ベテランの「教える誇り」も、薄れてしまうかもしれません。 私は以前、後輩の成長に焦りを感じたことがあります。でも彼女が私に「田中さんが見守ってくれるから挑戦できる」と言ってくれて、涙が出るほど嬉しかった。 “時間”が人を育てる。だからこそ、限りある時間の中で、誰かの成長を支える喜びがある。 不老不死の時代が来ても、「成長し合う関係性」は、きっと永遠に必要なんだと思います。
山田雄一

山田雄一のスピーチ

43歳・経営企画部・課長

老化を「技術的なバグ」と見なし、修正しようとする──今、そんな研究が世界で進んでいます。XPRIZEの健康寿命延伸コンペには1億ドルの賞金がかかり、日本企業も参戦中。 ただ、戦略の視点で見ると、ここにはひとつのリスクもあります。もし“寿命”が延びても、“生産性”が比例して上がるとは限らない。長生きのコスト構造が変わらなければ、社会の持続性は揺らぎます。 つまり、「長く生きる」こと自体が目的化すると、ビジネスとしての意味を見失うかもしれない。 私たちが学ぶべきは、“永遠を追う”より“有限をどう活かすか”という戦略です。 今日の仕事でも、時間・資源・人材──限りある要素をどう最大化するか。その思考が未来を作る鍵になると思います。
鈴木恵子

鈴木恵子のスピーチ

48歳・企画部・部長

「不老不死」は、古代から人類が追い続けてきた夢です。手塚治虫の『火の鳥』が描いたように、それはいつも“永遠の命”と“生きる意味”の葛藤の物語でした。 今、その夢が現実化しつつある。iPS細胞から作られた心臓が鼓動し、老化を「バグ」と捉える研究が進む。 でも歴史を振り返ると、長く生きることが必ずしも幸せをもたらしたわけではありません。永遠を得た者は、しばしば「変わらない自分」と「変わりゆく世界」の間で孤独を感じてきました。 私たちは今、「生きる長さ」ではなく「生きる深さ」を問われているのだと思います。 今日という一日を、永遠の一部にする。その積み重ねこそが、人間の本当の“長寿”なのではないでしょうか。