星野ひかり

星野ひかりのスピーチ

22歳・経営企画部・インターン

どうして大学や研究機関の発表がニュースになってSNSで広まるんだろう、って考えることがあるんです。今回の京都大学と田中貴金属工業の研究もすごいなと思いました。水を電気分解して水素を作る時に大事な酸素発生反応で、酸化イリジウム触媒が高い活性を発揮する理由を解き明かしたと発表されていました。特に「単斜晶相が多いほど活性が上がる」という発見は、技術的には専門的なんですけど、未来に直結する響きがあります。なぜこの研究が大切かというと、効率よく水素を作れることはエネルギーのあり方そのものを変えるからです。水素は再生可能なエネルギーの中核を担う期待を集めていますが、問題は「コスト」と「効率」でした。そのボトルネックを突き止められれば、脱炭素を進める社会全体に大きな効果をもたらすんです。私の世代だと、環境に優しい選択肢が「普通」になっていくこと自体にワクワクするので、こうした研究成果が未来の安心感につながるんじゃないかなと思います。体験談を話すと、インターンでSNSマーケを考えるときに「未来のエネルギー」をテーマに投稿を作ったことがあるんです。でも、専門用語を並べただけでは誰も反応してくれませんでした。フォロワーから「結局どう変わるの?」とコメントが来て、自分が理解していなきゃ伝わらないと気づいたんです。難しい言葉をどうやって共感につながるストーリーに変えるか、試行錯誤しました。その時に「専門的な発見を、どう一般の人に伝えるか」が本当に重要なんだって学んだんですよね。今回の研究も、単斜晶相とか活性点って専門的ですが、「水素がもっと身近に使える未来」って置き換えたら一気に面白くなると思います。だから結局、どんなに専門的でも、自分たちの日常につながる視点を意識することが大事だと思いました。研究の価値を正しく伝えることは、SNS世代の私たちが担える役割だと思いますし、情報の広め方ひとつで未来の見え方まで変わっちゃうんですよね。だからこそ、身近に感じられる言葉で研究成果を届けていくことが、本当に意味のある情報発信だと感じました。
佐藤健太

佐藤健太のスピーチ

24歳・システム部・SE

正直、今回のニュースには技術者としてハッとさせられました。京都大学と田中貴金属工業が共同で進めた研究で、水の電気分解、水素製造のカギになる酸素発生反応を担う酸化イリジウム触媒。その「なぜ高活性なのか」という起源を、マルチモーダル解析によって解明したと報道されていました。特に重要なのは、酸化イリジウムの中で単斜晶相の割合が多いほど酸素発生反応の活性が高まる、という明確な相関を特定したことです。この成果がなぜ意味を持つかというと、いままで触媒活性は「ブラックボックス的」な扱われ方をしていたからです。要は動くけれども、どの構造が寄与しているのかは見えない。これでは最適設計も試行錯誤に頼るしかありませんでした。今回の発見で「ここを増やせば効率が上がる」という方向性がはっきりしたんです。つまりエンジニア視点で言えば、最適化問題の初期条件が一気に整ったようなものだと思います。僕の体験でも似たようなことがありました。以前システムのレスポンス改善を任されたとき、原因不明の遅延が発生していて、チームで朝から晩まで調査したんです。ログのトレースを重ねてもなかなか理由がわからず、結局ボトルネックはデータベースの接続プールの設定値にありました。そこを調整するだけで一気に処理速度が改善しました。あの経験で「全体を漠然と眺めても解決は遠い、原因箇所を突き止めて構造的に変えるのが一番大事」だと、エンジニアとして認識を改めました。その考え方は今回の触媒研究と重なって見えるんです。だから今回の研究は単なる化学論文に留まらない教訓を持っていると思います。本質的な課題はどこにあるかを解明し、その部分をどうデザインするか。僕らシステム屋の世界でも同じアプローチが必要ですし、構造の理解こそが最大の改善につながると再確認させられました。科学と工学は違う領域でも、その根っこには共通する戦略があるんだと思います。
田中美咲

田中美咲のスピーチ

32歳・人事部・係長

ニュースで知った今回の研究はとても興味深いものでした。京都大学と田中貴金属工業のチームが共同で、水の電気分解で水素を生む重要な酸素発生反応を扱い、酸化イリジウム触媒の活性起源を解明した、という内容です。その結果として、酸化イリジウム中に単斜晶相が多いほど触媒活性が上がると分かったと報じられていました。このように「構造と成果の関係」をデータで示すのは大きな意味があると思います。この研究が私たちに関係ある理由は、組織運営やチームづくりに通じる考え方だからです。触媒でも「どの結晶相が反応を高めるのか」という理解が設計の指針になるように、チームでも「誰のどんな特性が成果を生むのか」を知ることが組織設計の出発点になります。人材育成も、一律のやり方では十分な活性が生まれなくて、それぞれの強みの組み合わせ方で成果が変わるんです。実際に私が担当した研修でも、みんなに同じカリキュラムを与えただけでは良い結果は出ませんでした。人によって「講義型では理解しやすい人」「体験しながらの方が吸収できる人」と違いがありました。一度目は成果がバラついてしまって、モヤモヤしたことをよく覚えています。そこでチームのメンバーと共有し、学び方の特性に対応する研修方法を試していったんです。例えば、実践ワークを増やすグループや、マンツーマン指導を組み込むなど、カスタマイズしていった結果、全員の伸び方が整い始めました。そのとき「個々の特性を見極めて活かすこと」が心理的安全性にもつながるし、チーム全体の強さを作るのだと人事として実感しました。だから今回の研究ニュースも、ただの科学ニュースに留まらないと感じています。触媒の構造を理解することと、組織の人の特性を理解することは通じるんです。私たち人事はそこから「どう設計すれば全員の力が引き出せるか」を考える役割を担っています。つまり、違いを理解することが結果につながるという学びを、研究成果からもヒントとして受け取ることができると思います。
山田雄一

山田雄一のスピーチ

43歳・経営企画部・課長

水素社会の実現をどう進めるかは、我々にとって避けて通れない戦略課題だと思います。今回の京都大学と田中貴金属工業の研究成果は、その前進に重要な示唆を与えるものでした。酸化イリジウム触媒を用いた水電解で、高い酸素発生反応活性がどこから生じるのか。それをマルチモーダル解析で明らかにしたという発表です。結果的に「単斜晶相の割合が増えるほど活性が上がる」という相関が具体的に示されました。なぜこれは重要なのか。それは研究成果が「設計指針」として機能するからです。企業側から見れば、開発投資の方向性に確かな裏づけが得られたことを意味します。仮説や期待に基づく研究開発から、数値に基づいた戦略的投資への移行が可能になる。ROIやKPIを考えるうえで、こうしたデータがあるのとないのとでは判断の質が違います。戦略を描く上での「地図」に当たるものだと言えるでしょう。私自身の経験でも、データの有無は判断の質を大きく左右しました。数年前、チームの設備更新に関する投資判断を任されたことがあります。当初は「老朽化しているから更新が必要」という抽象的な理由しかなく、現場から賛否の声が出て決めにくかったんです。ところが稼働率や故障頻度のデータを基にシミュレーションすると、年間のロスコストが具体的に見えてきて、設備更新による回収年数も明確に算出できました。そのときから「定量データを根拠とした判断は納得感を生む」と強く学びました。それ以来、管理職として肝に銘じているのは、戦略や計画の根拠を明確なデータで裏づけることです。だから今回の研究発表も化学分野の話で終わらせるのは惜しいと感じます。我々のような企業の管理職にとっては「科学的データがそのまま戦略立案の軸になる」という教訓を示しています。水素社会を見据えた新規事業のKPI設計でも、こうした知見を取り込めば、感覚ではなくデータ主導で確実に前へ進めるはずです。研究と経営をつなぐ視点を持つことが、今後ますます不可欠になると思います。
鈴木恵子

鈴木恵子のスピーチ

48歳・企画部・部長

京都大学と田中貴金属工業が共同で進めた研究で、水電解のカギとなる酸化イリジウム触媒の活性の起源が解明されたと報じられました。具体的には、マルチモーダル解析によって酸素発生反応に寄与する活性点を特定し、酸化イリジウム中の単斜晶相の割合が多いほど活性が高まるという明確な相関関係を見つけたというのです。これは「触媒開発の設計指針」に直結する成果であり、水素エネルギーの普及に向けた大きな進展と言えると思います。このニュースを聞いて私が強く感じたのは、「成果を偶然の産物にしない力」です。科学分野だけでなく、組織を長年見てきても同じことが言えます。成功の背後には必ず条件があり、それを突き止めることで初めて再現性が得られる。それを歴史的に積み重ねてきた分野こそ、揺らぎのない発展を遂げてきたと感じます。科研の知見が未来の産業の基盤を作り、持続的な価値につながる様は、私が組織運営で学んできたことと同じ土台に立っています。思い返すと、以前に社内の大きなプロジェクトを任せ、チームが非常に良い成果を出したことがありました。あのときは「メンバーの頑張りがすごかった」と思っていましたが、振り返ると構成が絶妙でした。リーダーが冷静沈着で、サポート役が現実的な提案を出せる人、さらに創造的な若手がいて、その組み合わせが相乗効果を生んでいました。当時は偶然のように思えましたが、長年の経験に新たな視点が加わり、成功要因を条件として整理できたおかげで、後のプロジェクトにも役立てることができました。この研究成果が示しているのも、まさに同じ精神だと思います。偶然に頼らず、条件を理解し明確に設計していく。それこそが未来を持続的に築く力であると改めて大切さを認識しました。科学者の視点からも経営の現場からも、「原因を解明して道筋を描く」ことが本質なのだと心に残りました。