AIで作った答案が一瞬で見抜かれた、そんな記事を読んで「これは教育の話にとどまらない」と感じました。ビジネスにおいても同じで、どんなに整った資料でも、数字で裏付けされていなければすぐに見破られます。つまり、AI活用においても最終的に問われるのは「ROIやKPIで成果を証明できるかどうか」なのです。理由は明確です。経営の世界では、意思決定は常に投資対効果で判断されます。どれだけ美しいプレゼンを作っても、そこに「売上」「利益」「市場シェア」といった数値がなければ意味がない。AIで作った整った文章や資料も同じで、見栄えだけでは信頼は得られない。むしろ「成果が数字で示されていない」という点で、逆に信用を失うリスクさえあるのです。私自身も経験しました。ある部下が、AIで自動生成した提案資料を持ってきたとき、見た目は完璧でした。グラフも文章も美しく整理されていて、一瞬「これはすごい」と思った。しかし「この施策で売上はいくら上がる?」と聞いた瞬間に答えが出てこなかった。結果、その提案は信頼性を失い、採用には至りませんでした。逆に、粗削りでも数字をきちんと出してきた別の部下の提案は、実行されて成果を出しました。だからこそ、私は「バレないようにAIを使う」ことには意味がないと考えています。むしろ重要なのは「AIをどう数字に結びつけるか」。AIを使って市場分析を効率化するのは良い。しかしそれを「どのKPIを改善するのか」「ROIをどう最大化するのか」に落とし込めなければ、経営判断には使えません。